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葛西の四季折々(42)「セイタカシギ」

 5月、6月は野鳥の繁殖期です。葛西臨海公園・鳥類園の下の池では毎年この時期にセイタカシギが営巣して抱卵をします。ですが残念ながら雛が孵る前に災難に遭遇して、2008年以降雛が孵っていません。今年のセイタカシギの営巣・抱卵の様子をお伝えします。また西なぎさでもコアジサシ、シロチドリ、ヒバリなどが抱卵しており、雛も孵っています。



●私の所属するボランティアグループで、6/4(土)にセイタカシギが営巣できるように、昨年の産座に石と砂利で盛り上げて、営巣が可能なように修理しました。写真は完成した産座で、作業が終わると早速一組のペアが産座をチェックしていました。



●6/11(土)に行って見ると、産座近くでオスのセイタカシギがコサギに対して果敢に攻撃を仕掛けて、コサギを自分のエリアから追い出そうとしていました。この時には既に卵を抱えていたようです。12日に聞いた話で、朝方にアオダイショウに卵が食べられてしまったそうです。



●6/14(火)に鳥類園に行くと、前と同じペアのオスが産座に座って、メスに対して産座として充分使えるよとアピールしているように思えました。



●その後で産座近くで、このペアが交尾していましたので、再度ここで抱卵が見れると期待を持ちました。



●セイタカシギは交尾した後でお互いの嘴を交差させる儀式のようなことを行います。写真は残念ながら後ろからなので、嘴の交差がはっきりとは分かりません。これが前からであればバッチリ撮れていたのにと残念でなりません。



●同じ日に通称亀島と言っているとこで、別のペアが抱卵していました。こちらはヘビに気付かれないのではと淡い期待を持っていました。しかし全ての期待は今年もダメで、18日に産座の卵がヘビの食べられ、亀島の卵も19日にヘビに食べられてしまったそうです。折角抱卵までこじつけましたが、自然は厳しいものです。



●西なぎさの砂地でコアジサシが抱卵しているとの話なので、18日(土)に写真を撮りに行ってきました。コアジサシは草もない小砂利のような砂浜で抱卵していました。



●こちらは上の抱卵の近くですが、草が生えている場所で抱卵していました。21日にこのペアの雛が孵ったそうです。西なぎさでコアジサシの雛が孵ったのは22年振りだそうで、大変喜ばしい知らせです。



●コアジサシの近くでシロチドリも抱卵しています。写真は抱卵の場所で立ち上がった姿です。こちらも雛が孵ったようで、西なぎさがこうした野鳥の繁殖地として定着してくれると素晴らしいことなので、この環境を皆で見守っていきたいと願わずにいられません。

2011/06/21